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2002年12月24日、僕が中学3年生だった頃のクリスマスイヴに、満を持してDDR EXTREMEが稼動するのだったが、ここで奇跡が起きた。なんと、ずっと3rd PLUSのままだったキッズクラブがEXTREMEを入荷したのだった。店長曰く、「これが最終作だと聞いたので入れた」とのことだった。決定的な理由はそれだったのかもしれないが、新作を入れてほしいという度重なる僕の懇願も無駄ではなかったのかもしれない。僕は店長からの思いがけないクリスマスプレゼントに感謝した。

余談だが、キッズクラブの店長はハゲていたので、陰で僕たちは店長のことを「ハゲ」と呼んでいた。子供は残酷である。


EXTREME稼動後、僕は毎日のようにキッズクラブに通った。そのためエジソン倶楽部へはしばらく行かなくなるのだが、キッズクラブはDDR以外の音ゲーが旧バージョンだったことと、DDRにメモリーカードを挿せなかった(当時のDDRはPlay Stationのメモリーカードにスコアを保存したり、家庭用で作成したEDITデータをメモリーカード経由でプレイしたりしていた)ということがあり、後にエジソン倶楽部にもまたぼちぼち足を運ぶことになるのだった。

3rd PLUSの頃も、僕以外にもDDRをプレイする友人は何人かいた(といっても低難易度を軽く嗜む程度だった)のだが、キッズクラブにEXTREMEが入ったことで、それ以降DDRをプレイする友人も少しずつ増えてきた。そういう意味でも、キッズクラブにEXTREMEが入った影響は大きかった。

次に、長期休暇で実家に帰省しているときのプレイ環境だが、EXTREMEのときは、MAX2を踏んでいたゲーセンからさらに遠い、実家のある市から電車で1時間以上かかる宮崎市内のゲーセンでよくプレイしていた覚えがある。記憶が曖昧なのだが、MAX2をプレイしていたゲーセンでEXTREMEをプレイした覚えがまるでないので、おそらくそのゲーセンにはEXTREMEの入荷がなかったんじゃないかと思う。宮崎市内まで行くとなると、電車では往復2,500円もかかってしまうのが当時の自分にはかなりきつかったし、その距離では親も以前ほどは車を出してくれなかったと思うが、なんだかんだ言いながら宮崎市まで行ってプレイした記憶がそこそこある。


さて、本題のDDR EXTREMEそのものについてだが、まさに集大成と言って差し支えない素晴らしいバージョンであった。みんな各々好きなバージョンがあるだろうが、総合的な完成度でいえば、やはりEXTREMEがダントツという印象である。あまりにも良かったので、稼動当初は「もう新作出なくてもこれだけで一生遊べるじゃん!」と思ったものだった(残念ながら実際はだんだん飽きてくるのだが)。

まず最初に挙げたいのが、新曲の多さだ。新曲とは言っても、EXTREMEもほぼNAOKI一人で曲を作る体制は変わらなかったので、純粋な新曲の数には限界があった(それでもNAOKI一人で11曲(海外版DDRからの移植も含めると14曲)も提供していたのは凄まじかったが)。では何が多かったのかというと、移植曲である。これまでもDDRには他機種からの曲が移植されてきたが、毎回そこまで数は多くなかった。だがEXTREMEは移植曲だけで38曲あり、しかもこれまでは大半がbeatmaniaからの移植だったのが、今回はギタドラやポップンを始めとするBEMANIシリーズを手広くカバーし、そのどれもこれもが人気曲という、まさに大盤振る舞いであった。

移植曲で何をよくプレイしてたかなあと考えたときに、最初に思いつくのはColorsだ。元々曲が好きだったのもさることながら、足慣らしにちょうどよかった激譜面と、わりとやりごたえのあった鬼譜面の両方とも好きだった。また、DDR用に編集されたこのfor EXTREMEというバージョンだが、正直IIDXに収録されているものよりもこっちのほうが綺麗にまとまっていて好きだった。また、前作でよくプレイしていた版権曲のSTAYが1作で削除されてしまった悲しみを埋めるため、曲も譜面も系統が似ていたColorsをプレイしがちだったというのもある。

他には、Kiss me all night longやKISS KISS KISSをよくプレイしていた。まあ移植と言ってもこの2曲はNAOKI曲なのだが、僕はEXTREMEでプレイするまでこの2曲のことを知らなかったので、僕にとっては実質新曲みたいなものだった。ちなみに、この2曲はDanceManiaXからの移植だが、DanceManiaXのプレイ経験自体は何度かあった。

その他、好きだった移植曲を思いつく限り挙げると、蒼い衝動、Destiny lovers、Last Message、Pink Rose、LOVE2シュガ→あたりだろうか。まあ僕の好きな曲はわかりやすいので、わざわざ挙げるまでもないかもしれない。

他機種からあまりにもあれやこれやと節操なく移植するのも如何なものかという気持ちも正直完全にゼロだったわけではないのだが、やはり自分が好きな曲をたくさんプレイできるのは嬉しかったし、なにより、普段キッズクラブで他の音ゲーしかやってなかった人たちが移植曲をきっかけにDDRにも手を出す姿をたくさん見たので、移植曲を増やしてくれてありがとうという気持ちが強かったと思う。


いい文字数になってきたので今回の記事はここまでとし、次の記事でも引き続きEXTREMEについて話をしていく。


続く。